コミックス感想:伝染するジョーカー『ジョーカー:キラースマイル』

ジョーカー:キラースマイルとは

ジョーカー:キラースマイルは、2019年12月から2020年4月にかけて連載されたリミテッドシリーズです。
ユニークでエッジの効いた、挑発的な独立ストーリーを提供するDC Black Labelから刊行されています。


2020年10月には、ヴィレッジブックスより翻訳版が発売されています。
ほかのアメコミより横幅がちょっと大きい。
『ジョーカー:キラースマイル』の全3話に加えて、続編の『バットマン:スマイルキラー』も収録。
それでも152ページの短いお話。

ジョーカーを中心としたサイコホラー。

ざっくりあらすじ

精神科医ベン・アーネル。
精神を病んだヴィランが多く収容されるアーカムアサイラムに努める彼は、ジョーカーを題材にして新たな学説を確立しようと奮闘する。

研究に没頭するベンだったが、徐々に幻覚に襲われ始める。
やがて現実と幻覚の境目が曖昧となり、自我が蝕まれていく。

感想(ネタバレあり)

狂いゆく精神科医を通して、ジョーカーの神秘的なまでの異常性がよく表現されているように思います。
ジョーカーというのは対処できるものではなく、ただ希望を持ち続けて治癒するのを待つだけの病なのだとした本作のジョーカー像にただただ納得するばかりです。

バットマン:スマイルキラー』では、ブルース・ウェインが主人公。
子供向け番組を通して幼いブルースの身体にジョーカーの狂気が宿り、父親のトーマス・ウェインを射殺した、という衝撃のストーリーとなっている。
しかし、それが現実なのか幻覚なのかは判然としません。
解釈次第でどうとでも取れそうな感じはしますが、バットマンすらジョーカーの幻覚に囚われてしまうという驚きと恐ろしさを感じました。