コミックス感想:ジョーカーの死の真相を追うサイコホラー『バットマン:ダムド』

バットマン:ダムドとは

バットマン:ダムド』は2018年から2019年にかけて連載されたリミテッドシリーズです。
独自色の強い独立作品をリリースするDCブラックレーベルに属します。

ライターはブライアン・アザレロ
1990年代からコミックライターとして活躍しており、『100 bullets』でアーティストのエデュアルド・リッソと共にハーベイ賞、アイズナー賞を受賞しています。
数多くの仕事をしていますが、DCコミックスでは、『Before Watchmen: Comedian / Rorschach』『Lex Luthor: Man of Steel 』などに携わっています。

アーティストはリー・ベルメホ。
アイズナー賞などの受賞歴を持つアーティストです。ライターのブライアン・アザレロとは何度もコンビを組んでいます。

バットマン:ダムド』は、アザレロとベルメホのコンビが生んだ『ジョーカー』の続編です。
とはいえ、緩やかなつながりでしかないので、単独で読んでも問題ないかと思います。

『ジョーカー』がジョーカーの手下を主人公にして、ジョーカーという存在を浮き彫りにするクライムコミックスであるのに対して、『バットマン:ダムド』はバットマンを主人公にした超自然的なホラーとなっています。

ざっくりあらすじ

戦いの末、ジョーカーと共にゴッサムゲートブリッジから転落するバットマン
瀕死の重傷を負ったが、超常現象専門の探偵ジョン・コンスタンティンに救われる。

そこへ耳を疑うニュースが流れる。
ジョーカーの死体が発見されたというのだ。
自分が殺したかもしれないし、誰かが殺したのかもしれない。

居ても立っても居られなくなったバットマンはジョーカーの死の真相を探り始める。
その先々でコンスタンティンを始めとする闇の世界の住人たちがバットマンと邂逅し、バットマンは知らず知らずのうちに深い闇の中へと入りこんでしまう。

感想(ネタバレあり)

リー・ベルメホの美しく迫力のあるアートが素晴らしい。
ダイナミックで躍動感のあるアクションもかっこいいのですが、重々しくも美しい闇を多数見れるのも良いですね。オカルト系のキャラクターが多数出演しているのでおどろおどろしい描写が多く、ベルメホのカラリストとしての才能も存分に発揮できているのかなと思います。

本作は、バットマンの行く先々で、コンスタンティンにザターナ、スワンプシング、エトリガン、エンチャントレスなど、魔法や超常現象をテーマにしたキャラクターと出会うホラー作品となっています。

ホラーかつ独立作品ならではの結末でした。
クライムアレイでの悲劇時点でブルースが亡くなっており、エンチャントレスとの契約で仮初の命を得ていたのです。
それを知った上でのバットマンの決断は、ジョーカーとの奇妙な絆を感じさせます。

続編がありそうな、なさそうな。あると嬉しい。