コミックス感想:ゴッサムシティに蔓延するウィルス『Batman:Contagion』

Batman:Contagionの基本情報

Batman:Contagion』は1996年3~4月あたりに連載された作品です。
もう少し収録内容を詳しく書くと、以下の通りです。

Batman: Shadow of the Bat #48 -- Part One: The Apocalypse Plague
Detective Comics #695 -- Part Two: The Gray Area
Robin (Volume 2) #27 -- Part Three: Natural Born Healer
Catwoman (Volume 2) #31 -- Part Four: Flesh and Fire (misprinted on the cover as part 5)
Azrael #15 -- Part Five: Requiem for an Immortal (misprinted on the cover as part 4)
Batman #529 -- Part Six: Tears of Blood
Batman: Shadow of the Bat #49 -- Part Seven: Angel of Death
Detective Comics #696 -- Part Eight: Babylon Falls
Batman Chronicles #4 -- Hitman • Huntress: Exposure • Beggar's Banquet
Catwoman (Volume 2) #32 -- Part Nine: Fever Pitch
Azrael #16 -- Part Ten: Contagion
Robin (Volume 2) #28

この時期はバットマンブルース・ウェイン、ロビンはティム・ドレイクです。
また、アズラエルはジャン=ポール・ヴァレー。ナイトフォールでブルースが負傷している間、バットマンを引き継いだ人物です。

ヴィランとして一応ポイズン・アイビーやペンギン、他作品では登場のないバウンティハンター・トラッカーが出ているのですが、話の主軸ではありません。
今回はウィルスという目に見えない敵がゴッサムを襲っているのです。

ざっくりあらすじ

バットマンアズラエルから警告を受け取ります。聖デュマ教団がゴッサムに疫病を送り込んでいると。
バットマンは米軍基地に潜入し、その疫病は「アポカリプス・ウィルス」「クレンチ」と呼ばれるエボラウィルスの一種だと突き止めました。感染者は12時間以内に目から血を流して死んでしまう恐ろしいウィルスです。

一方、聖デュマのエージェントであるダニエル・マリスはゴッサムに入ります。
ウィルスの蔓延させる計画を知っているマリスは、自身が会長を務める富裕層向けマンション・バビロンタワーを封鎖し、自分とゴッサムの富裕層をウィルスから守ろうとします。
しかし、マリスは知らなかったのです。自らが既にウィルスに感染しており、彼こそがゴッサムにウィルスをもたらす役割を担っていたことを。

やがて、バビロンタワー内でウィルスが広がり、タワーから放たれた使用人を通じてゴッサムにウィルスが蔓延。軍隊がゴッサムを隔離する事態となります。

ロビンはひょんなことからキャットウーマンと共同でウィルス抗体を持つ人物を探すこととなります。
そんな二人を邪魔するペンギンの傭兵トラッカー。ペンギンはゴッサムを混乱させたままにしておきたいので、抗体を持つ人物を殺害し解毒剤を作れないよう傭兵を雇ったのです。
アズラエルが乱入したり、トラッカーと同盟を組んだりとなんやかんやの珍道中。
血液サンプルを手に入れてバットマンに渡すも、解毒剤は完成せず。

そんな時、暴徒の対処にあたっていたロビンがウィルスに感染してしまいます。
バットケイブで必死の治療を受けるロビン。
ロビンは死んでしまうのでしょうか。解毒剤は作れるのでしょうか。

感想(ネタバレあり)

発表時期的に映画『アウトブレイク』を思い出しました。人間よりもウィルスの脅威への想像力が働く時期だったのかもしれません。911の前ですし。

目に見えないウィルスという敵に対して、バットファミリーは奮闘するものの空回りしていて手詰まり感が強いです。ロビンの衰弱とともに焦燥感が高まっていくにつれて、読み手のドキドキ感も高まります。

解決は意外とあっさり。
結局ネタ元であるアズラエルが半ばゴリ押しで解毒剤を見つけ出します。
刺客や軍を振り払ってゴッサムに入り込み、解毒剤作成方法を各病院にファックスして平和解決します。
それまでの困難があってこその行動ではあるものの、拍子抜け感もあったなあと思います。

印象に残ったシーンは、ロビンのウイルス感染。
暴徒のくしゃみで緑色の鼻水唾液べっとりの描写なのが気持ち悪かったです。