コミックス感想:『Heroes in Crisis』

Heroes in Crisisとは

Heroes in Crisisは2018年9月から2019年5月にかけて連載されました。
既に翻訳版も出版されています。

ライターはトム・キング(Batman vol.3やThe Visionを担当)。

DCユニバースのヒーロー達が多数出演しますが、殺人事件を取り扱ったミステリー要素が強い作品となっています。

衝撃的なラストやあるヒーローの扱いについて批判も多かった作品です。

ざっくりあらすじ

スーパーヒーロー達も無敵ではない。
数々の悲劇を目の当たりにして心が傷ついている。
心的外傷後ストレス障害を患ったヒーロー達のための療養施設「サンクチュアリ」。

サンクチュアリで療養していたヒーロー達が大量に虐殺されていた。
生存者はブースターゴールドとハーレイ・クインの二人。
二人は何が起きたかわかっていなかったが、互いに相手が大量虐殺の犯人だと信じ、殺し合いを始める。

大虐殺の犯人はブースターゴールドなのか。ハーレイ・クインなのか。それとも。。。

感想(ネタバレあり)

悲劇である。
ヒーローへの強烈な悪意があったわけではなかった。
ヒーローが持つエネルギーが暴走した末の事故であった。

すぐに犯人が見つかりそうな事件なのですが、複雑にしたのは犯人の特殊な能力。
スーパーヒーローならではのミステリーだなと思いました。

多数のスーパーヒーローを擁するDCなので、誰が途中参戦してくるかもわからないですから犯人を途中で当てるのはなかなか難しいかなと思います。

ネタバレありと書きながらも、犯人やトリックを書くのはやめておきます。
推理小説好きとしては犯人を晒すのは気が引けるので。

後味は苦いですね。賛否両論となったのも頷けます。
スーパーヒーロー内での事件なので、犯人もスーパーヒーローとなってしまいます。
多くの人が思う正義の象徴であるスーパーヒーロー像が崩れる結果となるので、批判したい人も多いでしょう。

ただ、スーパーヒーローも人間であり失敗もします。
人並に傷付くし、立ち直るのも時間がかかる。
そうした姿を描くことでスーパーヒーローの実像がより鮮明になりますし、スーパーヒーローもののアメコミそのものもより重厚になっていくでしょう。
様々な切り口でのストーリーが必要だと思いますので、本作も受け入れられるべきかと思います。