アニメ感想:スーパーマンの死と再生を描く『The Death of Superman』『Reign of The Supermen』

1990年代のDCコミックスはヒーローたちに衝撃的な苦難を与えていました。
バットマンがベインに背骨を折られたり、二代目グリーンランタンであるハル・ジョーダンが魔人パララックスに変貌したりと、最終的にはヒーローが勝利を収めるというある種のお約束を破り、マンネリを打破しようとしていました。

その中でも衝撃的な出来事は、スーパーマンの死でした。
弱点はありながらもどんな困難も乗り越え続けてきた無敵の男の死は、今でも語り継がれる必須のエピソードです。

ただ、日本ではまともに翻訳されていません。
1993年にエピソードの一部である『The Death of Superman』が翻訳されていますが、続きが翻訳されることはありませんでした。
スーパーマンの死だけが翻訳され、後に続く混乱と再生が翻訳されていないのです。
原語で読めって話ではありますが、入手しづらいですし90年代の絵が受け付けない人もいるでしょう。

しかし、ご心配はいりません。
スーパーマンの死と再生の物語は、アニメーション化されています。
日本語版も発売されており、ちゃんと字幕付きで楽しむことができます。

ここでは、軽いあらすじと感想を書きたいと思います。

注意:観る順番を間違えない!

『The Death of Superman』『Reign of the Supermen』の2つは、スーパーマンの死と再生を描いた1セットのお話なのですが、表記上ナンバリングされていたり、前後編と銘打たれたりしていることはありません。
観る順番を間違えると、何が何やらわからない点も出てきてしまうので気を付けましょう。

順番は、以下となります。
1、『The Death of Superman』
2、『Reign of the Supermen』

めっちゃ大雑把なあらすじ

The Death of Superman

宇宙から謎の物体が海に墜落。
中から出てきたのはドゥームズデイ
ドゥームズデイは破壊衝動に駆られた恐ろしい怪物で、意思疎通も取れず制御不能
ジャスティス・リーグの面々が止めにかかりますが、ドゥームズデイの圧倒的な暴力に次々と倒されていきます。

メトロポリスに到着したドゥームズデイ
ジャスティス・リーグのメンバーが倒された今、立ち向かえるのはスーパーマンただ一人。
完全無欠の正義 vs 比類なき暴力の結末はいかに。

ここまでが『The Death of Superman』のあらすじです。
この先『Reign of Supermen』のあらすじに入りますが、『The Death~』のネタバレを含みますので知りたくない人は次の項を無視してください。

Reign of Supermen

スーパーマンドゥームズデイの死闘から数か月後。
両者相打ちにて終わった世紀の決戦により、世界はスーパーマンを失ってしまいました。

メトロポリスの正義を誰が守るのかと市民が不安に思う中、スーパーマンを名乗るヒーローが現れるのです。しかも4人も。

レックス・ルーサーが認める少年スーパーボーイ、バイザーをしたスーパーマンにそっくりな男エラディケーター、全身金属に覆われてハンマーを振り回すスティール、機械の肉体を持ったサイボーグ・スーパーマン

彼らは何者なのでしょうか。スーパーマンの生まれ変わりなのでしょうか、それとも。。。
反目しあう4人のスーパーマン
真のスーパーマンの座を奪うのは一体誰なのでしょうか。

感想(ネタバレあり)

『The Death of Superman』は、特に難しいことを考えずにひたすらアクションを眺める作品だったなあと思います。

本作において、ドゥームズデイはその背景が語られるわけでもなく、ひたすらに破壊衝動を体現する存在。ジャスティス・リーグの面々は咬ませ犬的に次々と倒されていきますし、スーパーマンですら大苦戦してしまいます。結果として相打ちとなり、スーパーマンドゥームズデイも死亡します。
重要な話ではあるものの、中身は薄目なのでアクション中心になるのも致し方ありません。

ただ、冒頭には日常的なシーンもあります。
スーパーマンとロイスの揺れ動く微妙な関係を描いており、良いアクセントとなっています。
彼らの日常が描かれるからこそ、スーパーマンの死がより悲劇的に見えました。

『Reign of The Supermen』になると、ストーリーに厚みが出てきます。
やはりスーパーマン候補が矢継ぎ早に4人も出てくるのは衝撃的ですし、即座に展開を予想することも難しいものです。
スーパーマンのストーリーというよりは、スーパーマンの生存を信じるロイスのストーリーと捉えた方が良いかなと思います。

復活したスーパーマン vs 復讐に駆られたサイボーグスーパーマン(ハンク・ヘンショウ)は、少し説明不足かと思うので補足。
復活したてでフルパワーを出せないスーパーマンですが、ロイスの機転で太陽光を浴びて力を取り戻す場面があります。これはスーパーマンの力の源が太陽光であるからです。太陽光を浴びた直後、ヒートビジョン(目から熱線)を出して、力を取り戻したことが表現されています。