コミックス感想:『Justice League vs. Suicide Squad 』

Justice League vs. Suicide Squad とは

2017年に連載されたリミテッドシリーズです。
題名の通り、ジャスティスリーグとスーサイドスクワッドの対決を描いたクロスオーバー作品となります。

2018年には翻訳版もリリースされています。

ざっくりあらすじ

アマンダ・ウォラー率いる、囚人たちで結成された特殊部隊スーサイドスクワッド。
彼らの傍若無人な任務遂行に業を煮やしたジャスティスリーグは止めにかかる。
かくして、ジャスティスリーグ vs スーサイドスクワッドの直接対決が始まった。

その一方で、デスバレーの地下深くに幽閉された危険なヴィラン達を解放し、ウォラーの抹殺を企てる、天才的頭脳を持ったテレパス、マックスウェル・ロードが暗躍する。

三者が交錯し熾烈な戦いを繰り広げる。制するのは誰か。

感想(ネタバレあり)

ストーリーが独立しているので、この作品から読んでも特に問題ないかと思います。

Justice League vs. Suicide Squad というタイトル通りの内容ですが、ややトリッキー。
正確には、Justice League + Suicide Squad vs 初代Suicide Squadとなります。
さらにその先にはvs 魔人エクリプソが待っていたりします。

マックスウェル・ロードが開放した危険なヴィラン達が初代Suicide Squadで、ウォラーに恨みを持っているというお話です。
初代のメンツで知っていたのはロボくらいで、ドクター・ポラリス、エメラルド・エンプレス、ジョニー・ソローなどは初見でした。
質の悪いヴィランで封印されたのも納得のメンツ。

Justice Leagueの面々が操られて、残りのバットマンやサイボーグ、Suicide Squadと急造Justice Leagueで戦いを挑む姿は胸アツな展開でした。
また、エピローグでは改心したロボに対してバットマンジャスティスリーグに勧誘するなんて場面が描かれているのも良いですね。

結果として、Justice Leagueの頭脳であるバットマンがSuicide Squadの存在を認め、共存することとなります。
これがウォラーの狙いであり、マックスウェル・ロードすら手玉に取られていたこととなります。

そんな完全無欠なアマンダ・ウォラーですが、最後のエピソードは彼女が打ちのめされることとなります。
亡くなった家族のために犯罪撲滅を誓って政治の世界に入ったウォラーが、家族によって打ちのめされる様は切ないものがありましたね。

コミックス感想:『STEEL: FORGING OF A HERO』


『STEEL: FORGING OF A HERO』とは

『STEEL: FORGING OF A HERO』は1997年に出版されたもので、

Superman: The Man of Steel (1991-2003) #21-22 
Steel (1994-1998) #0-6, 8 

を収録しています。

John Henry IronsがSteelとして活動するきっかけ、初期の活動が描かれています。

ざっくりあらすじ

元兵器開発者John Henry Ironsは、スーパーマンに命を救われたことでヒーローへの思いを強くする。
スーパーマンドゥームズデイとの戦いで戦死した後、Johnは彼に代わってメトロポリスを守るため、鋼鉄の鎧に身を包みSteelとして活動を始める。

感想

Steelのイヤーワンって感じでしょうか。
メトロポリスの治安を守り始めるのですが、過去に自分が開発した兵器をギャングが使っており、そいつらを懲らしめるようなストーリーが主だったりします。他にもBlack Opsなる犯罪組織と戦ったり。
ギャングとの抗争によりJohnの家族が次々と被害に遭うなど、まあ治安が悪いこと。

Steelはあまり戦闘に優れた感じはしなくて、わりと脳筋プレイな感じもあり。
力技でぶっ倒したり、高い防御力でひたすら攻撃に耐えたり。
そうした戦闘面よりも、情に厚く家族思いであるといった精神面の方が印象的でした。




コミックス感想:『Batgirl vol.5 Deadline』


『Batgirl vol.5 Deadline』とは

BatgirlのNew 52の5冊目に当たります。
2014年あたりに連載されていたものをまとめたハードカバー。

本作の次は、翻訳されているバーンサイドとなります。

ざっくりあらすじ

バットガールとナイトフォールの戦いがいよいよクライマックスへ。
ゴッサムシティにはびこる犯罪者を強引な手口で一掃しようとナイトフォールは、傭兵部隊を編成し侵攻の準備をと問える。

 

バットガールブラックキャナリー、ハントレスと共に惨劇を防ごうと奮闘する。

感想(ネタバレあり)

ナイトフォールとの戦いがメインですが、そのほか、梟の法廷で活動してたストリックスと共闘してバンパイアハンターと戦ったり、ゴッサムに伝わる昔ながらのゲーム(こっくりさん的な?)で呼び出された異形の怪物と戦ったり、Gothtopia,future endといったクロスオーバー作品のバットガール分が収録されています。

アンデッド系の敵が多かったり、Rag Dollと呼ばれる能面で軟体のヴィランが出てきたりと、ホラー味が強めのストーリーが多かったです。

vol.2から始まったナイトフォールとの戦いがようやく終結
ゴッサムの危機に対してバットガールだけでなく、ブラックキャナリーやハントレスと共に戦います。
ハントレスは突然出てきて、敵と勘違いしたバットガールに滅茶苦茶にぶん殴られたのに、ちゃんと協力してくれて大人だなあと思ったり笑

vol.4でゴードンに撃たれた彼氏リッキーが訴えを起こそうとしたり、それをよしとしなかったナイトフォールがリッキーにきっつい脅しをかけたり、死んだと思ってた友人(政府のエージェント)にバーバラが拉致されていろいろ注意されたり、バーバラの心はぐちゃぐちゃ。

そんな中でナイトフォールと戦い、最後には殺したと思っていた弟(ジェームズ・ゴードン・ジュニア)が生きていることを知らされ、ひどく安堵。

バーバラの心中のアップダウンが激しいストーリーでした。
そうしたこともあり、バーバラは次巻からゴッサムを離れ、バーンサイドで新生活を始めます。

 

コミックス感想:『Batman: Ego and Other Tails』


Batman: Ego and Other Tails』とは

Batman: Ego and Other Tails』は、ダーウィン・クックの短編集です。

ダーウィン・クックは、  DC: The New Frontier、The Spiritなどの作品で知られるアーティストで、数々の賞を受賞しています。2016年53歳の若さで亡くなっています。

本作は、バットマン関連の作品を集めた短編集で、翻訳版も出版されています。

私が読んだのは原書なのですが、2007年に出版されたものです。
翻訳版は2017年に出版されたDeluxe Editionを底本としており、収録作品数が多いです。

100ページくらい違うので素直に翻訳版買えばよかったですね。
たまたま古本で見つけたから買っちゃったんよなあ。

ざっくりあらすじ

バットマンは自ら命を絶とうとする男を助けた。
その男はジョーカーの金を盗んだチンピラで、逃げ切れないと観念して妻子を殺害し、自らも死のうとしたのだった。
そして、男はバットマンの目の前で目的を果たした。

良心の呵責に苛まれるブルース・ウェイン
彼から分裂し、犯罪への復讐を果たすべきだと迫るバットマン

ブルースはバットマンを受け入れるのか。それとも。。。

感想

バットマンのストーリーの他、キャットウーマンのストーリーも収録。
というか、分量的には半々くらい。

ダーウィン・クックのダークでカートゥーン調の画風を楽しめます。
彼はアーティストでありライターでもありますので、ストーリーと画風がしっかり合致するのが良いですね。
アメコミは工程ごとに分業していることが多いので、ダーウィン・クックの創作は際立ちますね。

バットマンそのものが狂気に侵された存在なのではないか、といった視点は今となってはそう珍しくないものの、発表当時の2000年ではまだ新鮮味があったかもしれませんし、2000年でも使い古されたものかもしれません。

が、ブルースとバットマンを完全に分離して描くのは、カートゥーンチックな表現のようにも思えて、そこらへんもアニメーションからコミックスに戦場を移したクックらしいなと思います。

コミックス感想:『Mister Miracle』


『Mister Miracle』とは

『Mister Miracle』は2017年から全12話で連載されました。

ライターはバットマンのメインライターとして知られるトム・キング。
アーティストはバットマンやヒーローズインクライシスなどに参加しているミッチ・ジェラッズ。

本作はアイズナー賞において、ベストライター/ベストアーティストを受賞しています。

翻訳版も2020年に発売されています。

そもそもミスターミラクルって何者?

ミスターミラクル(スコット・フリー)は、通常の時空を超えた領域に住む生命体ニューゴッドの一人。
緑あふれる穏やかな惑星ニュージェネシスを統治するハイファーザーの息子。

ニュージェネシスは、荒廃した悪夢のような惑星アポコリプスと対立関係。
惑星間で戦争が起きましたが、このままでは双方の惑星に甚大な被害が起きると危惧し、両惑星のトップが会談。
紛争を終わらせるため、お互いの子供を交換し(人質として)、休戦協定を結びます。

そうして、ハイファーザーの息子スコット・フリーは幼くして、アポコリプスを統治するダークサイドに引き取られることとなったのです。

スコットは恐怖と暴力の日々を過ごすことになります。
劣悪な環境で過ごすことで精神が崩壊しかけるものの、精神と体を切り離して考えることで拷問を乗り越え、問題解決の理性と技術を学び、ついにはアポコリプスからの逃亡に成功します。

地球にたどり着いたスコットは、ミスターミラクルと名乗るサーカスの脱出マジックの名人と出会います。
その名人が殺害された後、スコットはミスターミラクルの名を引き継ぎ、いかなる困難からも脱出できるヒーローとして活動を始めます。

パートナーはビッグバルダ。
ダークサイドを守る強力な戦士の一団フィーメール・フューリーズのトップを務めるほどの戦士でしたが、スコットと恋仲になり、一緒に地球へ逃亡しました。

ざっくりあらすじ

ダークサイドが反生命方程式を入手し、ハイファーザーの殺害に成功する。
ニュージェネシスとアポコリプスの紛争が再び始まる。

ニュージェネシスのトップに就任したのは、オライオン。
ダークサイドの息子であり、スコットと交換されハイファーザーに育てられた人物。

高圧的なオライオンの元で、ミスターミラクルとビッグバルダはアポコリプスとの戦いに巻き込まれていく。

その一方で、ミスターミラクルの脳裏には「Darkseid Is 」という言葉が頻繁に現れ、目の前の世界が歪んで見えるようになる。
ミスターミラクルは罠にかかっているのか。その罠から脱出できるのか。

感想(ネタバレあり)

難解なストーリー。
しかも、翻訳が乏しいニューゴッズのストーリーなので、DCコミックス初心者には勧めにくい作品ですね。

誰のどの認識が正しいのか。なぜ頻繁に世界が歪むのか。「Darkseid Is 」が何を指しているのか。
一読ではなかなか理解が追い付かず、考察読んだり、もう一度読み直したり。
そうした過程を幾度か繰り返して、深く味わえる作品だなあと思いました。

難解さを際立たせるアーティストの表現がたまらない作品でもあります。
ブラウン管テレビでの画像の乱れのような表現だったり、焦点の定まらない感じだったり、ほぼ全編に渡って1ページ9コマにしてたり、他のコミックスとは一線を画しています。

私は原書で読んだのですが、翻訳で読むとまた違った味わい、発見があるかもしれませんね。そのうち入手してみよう。




アニメ感想:『VIXEN/ビクセン』

『VIXEN/ビクセン』とは

『VIXEN/ビクセン』は、動物の力を司るヒーロー・ビクセンを主人公としたアニメです。

元々は2015年に配信された5分程度計12話のアニメでしたが、後に一本の長編アニメ化されてブルーレイ化。日本版も発売されています。

ドラマ『ARROW/アロー』や『THE FLASH/フラッシュ』と同じ世界観を共有する「アローバース」の作品でもあり、フラッシュやグリーンアローなど他のヒーローも出演しています。

ざっくりあらすじ

幼い頃に両親を失い孤児として育った。マリ・マッケイブ

両親から受け継いだのは不思議な魅力を持った首飾りトーテム。
義父と夜道を歩いていた際に暴漢に襲われ窮地に陥ったその時、マリがトーテムに触れると、突如として力がみなぎり暴漢を打倒した。

マリはトーテムのおかげで、野生動物の力を自由に使えるようになったのだ。

トーテムを奪おうとする様々な悪に立ち向かい、マリはビクセンとして戦い続ける。

感想(ネタバレあり)

ビクセン・イヤーワンって感じのアニメでした。
ビクセンがどういった経緯でヒーローとして活動するようになったかが描かれています。
マリのルーツがアフリカのザンベジ村にあり、かつて魔術により治められていましたが、近代的な武器による襲撃により滅んでしまいました。その襲撃の目的はトーテムの奪取でした。
トーテムには魔術がこめられており、それを持てば能力を使えるようになります。

火、水、風、土、命。
5つのトーテムがあり、マリが持っているのは命のトーテムです。
本作は、トーテムを巡るストーリーとなっています。

普通のマンガなら、動物を扱えるヒーローは日常生活から動物に慣れ親しんでいるといった設定がオーソドックス。
しかし、マリはそんなこともなく、デトロイトでデザイナーを目指す普通の女性。
トーテムによる能力を手に入れた後、能力を活かすために飼育員として働くというエピソードはちょっと珍しい感じがしました。


ストーリーそのものはちょっとせわしない感じがします。
元々が5分 x 12話だったため、やや細切れ感があるのはしょうがないかなと思います。

特筆すべきは、多彩なアクション。
様々な動物の能力を駆使して戦うビクセンのアクションはバラエティに富んでおり、見ていて飽きません。
アフリカ出身だから、ライオンやゾウ、サイなどの能力を使えると勝手に私が思い込んでいましたが、イルカやタコといった水中生物の能力も利用しており、さらに多彩だと感じました。

スポット出演的ではあるものの、フラッシュやグリーンアロー、アトム、ブラックキャナリー、ファイヤーストームなども出演。
アローバースのドラマを見ていればもっと楽しめるはず。
(私はまだアローバースの一部しか観れてないですが、それでも楽しめました)

 

 

 

コミックス感想:デス・オブ・スーパーマン三部作


デス・オブ・スーパーマンとは

デス・オブ・スーパーマンは、1992~1993年にかけて連載されました。
タイトル通り、スーパーマンが死を迎えるという衝撃的なストーリーで当時話題となり、現在でも重要なストーリーとして位置づけられています。

今年は30周年ということもあり、30周年記念エディションが発売されたり、新規のストーリーが作成されたりとにわかに盛り上がっています。

デス・オブ・スーパーマンは三部作となっています。
最強最悪の敵ドゥームズデイと戦い『Doomsday!』
スーパーマンの死を嘆く人々を描いた『Funeral for a Friend
スーパーマンの復活を描いた『Reign of the Supermen!』

日本では『Doomsday!』のみ翻訳されていますが、はるか昔に絶版になっています。

手軽にストーリーを知るには、アニメで観るのがよいでしょう。
違いは多々ありますが、おおまかな流れで言えばかなり近いのでアニメもおすすめ。

ざっくりあらすじ

突如現れた怪物・ドゥームズデイ
ありとあらゆるものを破壊しながら移動するドゥームズデイを止めるため、ジャスティスリーグの面々が立ち向かうものの、まったく歯が立たない。
対峙できるのは最強のヒーロー・スーパーマンのみ。
しかし、スーパーマンでさえ劣勢に立たされる。
死闘の末、スーパーマンドゥームズデイを倒したものの、命を失ってしまう。

スーパーマンの葬儀が行われ、世界中が悲しみに包まれる。
スーパーマンの穴を埋めようとヒーロー達が身を引き締める中、スーパーマンの遺体が消失する。
さらには、スーパーマンを自称する人物が4人も現れて、事態は混迷を極めていく

感想(ネタバレあり)

スーパーマンの死と再生を描いた重要なストーリーで、後の作品でも度々言及されたりします。そのわりに、日本ではなかなか手に入れることができず、内容そのものよりも読めたこと自体が嬉しかったりもしました。

かといって、内容がおざなりなわけではなく、しっかり面白い作品でした。

『Doomsday!』はストレートなアクションを楽しめる作品で、ドゥームズデイが凶悪さを目の当たりにすることができます。


Funeral for a Friend』はスーパーマンの死の直後から描きます。
普通のマンガなら飛ばしそうな場面・現場に駆け付ける人々と混乱から描いていて、新鮮な感じがしました。
それからスーパーマンの遺伝子を求めて、混乱が起こるというストーリーはアニメでは描かれていませんので、原書を読むしかないです。
スーパーガールが頻繁に出てくるのですが、ここのスーパーガールはマトリックスと呼ばれる人口生命体。

『Reign of the Supermen!』は、4人のスーパーマンが現れる驚きのストーリー。
ティール、サイボーグスーパーマン、スーパーボーイ、エラディケーターの4人です。
それぞれが活躍(暗躍?)するのですが、重要な事件としてはサイボーグスーパーマンの暴挙です。サイボーグスーパーマンがコーストシティを破壊します。コーストシティはハル・ジョーダン(2代目グリーンランタン)の故郷です。この事件がきっかけとなり、ハルはパララックスへと変貌を遂げます。(Emerald Twilightで描かれています)

蘇生したばかりのスーパーマンは本来の力が失われており、銃をぶっ放して敵を倒すなど珍しいシーンも数多く描かれています。

死と復活とだけ捉えているとご都合主義的に感じるかもしれませんが、実際に読むとそうした印象は少ないように思えました。
それより遺体消失や4人のスーパーマンが衝撃的だったので、意識がそちらへ持っていかれる感じですね。

こうした重要作品を手軽に読める環境になったらいいですね。