ネタバレなしで映画感想:『シャザム!〜神々の怒り〜』


『シャザム!〜神々の怒り〜』とは

『シャザム!~神々の怒り~』は2023年3月17日に公開された作品で、『シャザム!』(2019年)の続編です。

主人公はシャザム。
前作で魔術師シャザムから神々の力を授けられたビリー・バットソンと彼と共に暮らす養兄弟姉妹達が神々の娘たちと戦いを繰り広げます。

 

前提知識は必要ない

シャザムシリーズの2作目にあたりますが、前提知識はなくとも楽しめます。
映画冒頭である程度どういうヒーローなのかを理解するエピソードがありますので、すんなりと世界観を飲み込めるかと思います。

もちろん前作やDCコミックス全般について知っておけばより楽しむことができます。
ジョークとして他のヒーローに言及していたり、所々に現れる小物が他のヒーローのロゴだったりと数々の発見があります。
(自分も一度しか観てないので見逃しているところがあるはず。DVD出たらチェックしよ)

コメディタッチのアクション大作

シャザムは前作同様コメディタッチで描かれます。

子供が「シャザム!」と叫ぶと大人の姿のヒーローに返信するという設定なので、心は子供のままです。なので分別の付いたヒーロー然とした行動ではなく、子供っぽさ満点の言動をして、他のアメコミヒーローとは一線を画しています。

全体として明るい雰囲気で進みますが、矢継ぎ早にアクションシーンが展開されており要所要所をしっかりと締めています。
シャザムもヴィランも魔法系のヒーローなので、アクションが派手。人はぶっ飛びまくるし、建物はガンガン崩壊するし、終いにはクリーチャーもたくさん出てきて、凄まじい状況になります。
飽きさせないアクションの連続でございました。

伏線回収がしっかりしている

伏線をところどころに張って、ちゃんと回収する。
これが徹底されていたように思えます。

その場限りのジョークかと思いきや、終盤でしっかり回収なんてことが多々ありました。
その度に驚きますし、満足感も高まります。

ジョークをジョークで回収することもあれば、ジョークをストーリー上の大事な場面で回収することもありました。
基本に忠実な伏線回収ではありますが、わりと数が多い。それでいて乱発しているわけではなく、要所で用いているので邪魔にならない印象。

サブキャラクターも活躍

本作はヒーローが6人います。ヴィランは3人です。
人数としてはかなり多いのですが、ちゃんと活躍の場が用意されており、濃淡はあれど多くの人物に焦点が当たっているように思えました。


ヒーロー映画に限りませんが、主人公の活躍だけに偏ってサブキャラが不必要に思えたり、逆に多くの人物に焦点を当てすぎて散漫になったりすることが多いですが、本作はバランスもよかったですね。

エンディング(ネタバレなし)

ネタバレなしだと全然語れないですが、エンディングよかったですね。

あのキャラクターがあんな風になって、あのキャラクターが出てきた時に驚きましたし、あーそういうことかと深く納得もしました。そうだな、あのキャラクターはそういう性質だもんなと。
驚きすぎてちょっと泣いちゃいました。

義理の兄弟達の集まった家庭という複雑な環境の中で、家族の絆を強調したのは良かったように思います。

注意!エンディング後に映像あり!

スタッフロール入ると帰ってしまう人がいましたが、本作はスタッフロールもちゃんと観た方が良いです。

エンディング後にコミカルなスタッフロールが流れますが、その後に映像が流れます。
さらに無機質なスタッフロールの後にも映像があります。

エンディング後に2つ映像がありますので、見逃さないようご注意を。

コミックス感想『ハーレイ・クイン:ガールズ・レボリューション』


ハーレイ・クイン:ガールズ・レボリューション』とは

ハーレイ・クイン:ガールズ・レボリューション』は、2019年9月『Harley Quinn: Breaking Glass』を翻訳したもので、2020年6月発売されました。

 

ワンショットの作品で、設定もオリジナルとなっています。
ヤンチャな15歳ハーリーン・クインゼルがゴッサムシティを舞台に、彼女なりの正義を社会にぶつけます。

ざっくりあらすじ

母親の都合で祖母の住むゴッサムシティへ行くことになったハーリーン・クインゼル。
しかし家に祖母の姿はなく、大家のドラァグクイーン・ママが面倒を見てくれることとなった。

楽しく過ごしていたハーリーンだったが、ママのドラァグキャバレーが大企業の強引な地域開発により立ち退きを要求される。

自らの正義を胸にハーリーンは立ち上がる。

感想(ネタバレあるかも)

ハーレイ・クインを主人公にしたオリジナルストーリー。
そのため、アイビーやジョーカーが出てきますが、本来の設定とは違った形になっています。

ヤングアダルト向けのレーベルから出版されており、単純にハーレイが大暴れするものではなく、社会性を帯びたストーリーで考えさせられる内容です。(ハチャメチャ一辺倒のハーレイを読みたい場合は、ホットインザシティとか読むといいです)

本作は女性やLGBTにスポットライトを当てています。
社会問題を扱いながらも堅苦しくなり過ぎず、ハーレイらしい突飛な言動もあり、良いストーリーになっているかと思います。

ハーレイが夜な夜な暴れる中でジョーカーと出会います。
ジョーカーもハーレイと同じく地域開発を無理矢理推し進める企業をターゲットに犯罪を進めています。
同じ志を持った仲間。自然と距離が近くなる二人。
二人の関係はどうなるのか。ジョーカーの正体は一体誰なのか。
ハーレイといえばジョーカーですから、オリジナル設定ではどうなっているのかも楽しみにして頂ければと思います。

コミックス感想『ワンダーウーマン:ヒケティア』


ワンダーウーマン:ヒケティア』とは

ワンダーウーマン:ヒケティア』は、2002年に発表されたワンショットの作品です。
翻訳版が出たのは2020年となります。

小説家としても活躍しているグレッグ・ルッカがライター。
この作品の後、2003年からWonder Woman(vol.2)のライターも担当しました。

ざっくりあらすじ

ワンダーウーマンの元に突然訪れたダニエルは、古代ギリシャの儀式「ヒケティア」を行い、ワンダーウーマンに忠誠を誓った。
ワンダーウーマンはその儀式を受け入れ、彼女を守る義務を負った。

そんな中バットマンが現れ、ダニエルを引き渡せと要求する。ダニエルは殺人犯だったのだ。

感想(ネタバレあり)

ワンダーウーマンバットマンの顔を踏みつける表紙が印象的な本作。
ヒーロー同士のバッチバチな戦いが描かれそうな予感がしますが、実際はそうでもなく、ワンダーウーマンの葛藤を中心に描かれます。

守ると誓った女性ダニエルは殺人犯でした。
しかし已むに已まれぬ事情がありました。
それでも殺人は殺人。バットマンは法の下に裁かれるべきだと主張します。

儀礼を重要視し、またダニエルの事情を勘案し守るべきと考えるワンダーウーマンの慈悲深さが印象に残ります。

100ページもない短いストーリーながら、ワンダーウーマンの葛藤がよく描かれていると思います。



コミックス感想:『Batman: Bruce Wayne : FUGITIVE vol.2』『同 vol.3』


Batman: Bruce Wayne : FUGITIVE vol.2』『同vol.3』とは

Batman: Bruce Wayne:Murderer』にて殺人犯として誤認逮捕されたブルース・ウェイン
FUGITIVEではブラックゲート刑務所から逃走したブルース・ウェインが真犯人に迫る内容となっています。

『FUGITIVE Vol.1』ではバットマンファミリーによる捜査が中心でしたが、vol.2からはバットマン自ら調査を始めます。

感想(ネタバレあり)

vol.2ではブルース・ウェインを陥れた真犯人が明らかになります。

それに納得するには2000年代前半のDCコミックスの設定が頭に入ってないといけない感じでした。
ノーマンズランドを読んでいるとわかりやすいかなと思います。翻訳版は絶版でプレミア付いていて手に入れにくいですが。。。私は泣く泣く原書で読みました。

某大物の指示により某凄腕ヴィランブルース・ウェインを陥れるための策略でございました。(ネタバレありと書いていながら、やっぱり実名を書くのは気が引ける)

vol.3については、今回の事件の後始末。
ブルースとともに逮捕されたSasha Bordeauxとの顛末、それからvol.2で逮捕された真犯人をメインとした展開があります。
真犯人の件ではヴィラン同士の師弟対決もあり、アクション満載の展開でした。
さらに真犯人は某ビジランテと深い関係にあり、そこでもひと悶着あります。
クライマックス後の比較的落ち着いた展開でありながら、見所の多い作品でした。



コミックス感想:『Batman: Bruce Wayne : FUGITIVE vol.1』

Batman: Bruce Wayne : FUGITIVE vol.1』とは

Batman: Bruce Wayne:Murderer』に続く作品です。
Murdererでブルース・ウェインは逮捕されブラックゲート刑務所に収監されましたが脱走。
本作は脱走後のお話になります。

ざっくりあらすじ

脱走したブルース・ウエインは自らの無実を証明するため、バットマンとしてゴッサムシティを独自に駆け回る。

その一方で、バットマン・ファミリーはブルースの無実を信じて状況調査を続ける。殺害されたヴェスパーはブルースの正体を知っていたのか、彼女の本当の死因は何だったのか、真犯人がバットケイブへ親友する可能性はあるのか。

様々な観点から捜査を進めていく。

感想(ネタバレあり)

FUGITIVEはvol.3まであり、本作は序盤となります。
そのため、捜査が中心でわりと地味な展開になります。
またバットマンよりも、捜査を進めるファミリー達の姿を中心に描かれています。

濡れ衣を着せられたブルース。
ゴッサムを代表する人物の逮捕なので、当然大々的に報道されています。
そのため、力尽くで真犯人を倒して解決とはなり得ないので、ち密な捜査によりブルースの無実を証明することで解決する必要があります。

したがってファミリーの捜査シーンが多く、一つ一つ証拠を積み上げていく展開になっていきます。ロングハロウィーンほどではないかもしれませんが、推理小説的な要素が強くなっています。

いつも通りのバットマンなので、周囲の協力を拒否して独力で解決しようとする姿も描かれています。
ファミリーのみならず、スーパーマンも駆けつけていますが、バットマンはやっぱり拒否。次巻ではバットマンが独力で捜査進める様が存分に描かれます。

コミックス感想:『Batman: Bruce Wayne - Murderer?』


Batman: Bruce Wayne - Murderer?』とは

Batman: Bruce Wayne - Murderer?』は2002年に連載された作品です。


ブルース・ウェインが殺人犯として逮捕される驚きのストーリー。本作で完結するストーリーではなく、『Bruce Wayne: Fugitive』vol.1-3へと続きます。

ざっくりあらすじ

ウェイン邸で恋人のヴェスパー・フェアチャイルドの死体を見つけたブルース・ウェイン。その現場をゴッサム市警に発見され、ブルースは彼女の殺人容疑で逮捕されてしまう。

当然、バットマンファミリーはそんな容疑は信じない。

ブルースの無実を証明するため、ナイトウィング、ロビン、バットガールは真犯人を突き止めるべく、すぐに捜査を開始する。しかし、捜査が進むにつれて、ブルースの有罪を証明する証拠が増えていく。。。

感想(ネタバレあり)

2002年の作品ということで、バーバラ・ゴードンはオラクルとして活動しています。ロビンはティム・ドレイクバットガールカサンドラ・カインが務めています。そのほか、ステファニー・ブラウンがスポイラーとして出演もしていますし、Orpheusなるヒーロー(本作で初めて知った)も出てきます。

本作でブルースの右腕として活躍しているのがSasha Bordeaux。
ブルース・ウェインボディガードとして雇われた若い女性。
バットマンの正体に気付き彼の訓練を経て、共にビジランテとして活動しています。
ブルースと共にブラックゲート刑務所に捕らわれてしまいます。

Fugitiveに続く前段的なストーリーなので、特にあらすじ以上のこともないです。
Fugitiveを訳せば逃亡者ですので、その通りにブラックゲート刑務所から逃亡して本作は終わります。
どうやって無実を証明するのか、そもそもヴェスパーを殺害したのは誰なのか。
楽しみにして続編を読みます。

 

コミックス感想:『Static Shock Vol. 1: Supercharged』


『Static Shock Vol. 1: Supercharged』とは

『Static Shock Vol. 1: Supercharged』は、2011年11月~2012年6月に連載されました。

フラッシュポイントに伴う全体的なリランチNew52の第一弾としてスタートしています。が、8話であえなく打ち切り。

Static(Virgil Ovid Hawkins)はクオンタムジュースと呼ばれる放射性化学物質にさらされたことで、バンベイビー(bang baby)というメタヒューマンの亜種となり、電磁気を自由に操る能力を得ました。

本作では、そうしたオリジンが描かれているわけではなく、ダコタを拠点としていたStaticが家族と共にニューヨークを転居したところから始まります。

ざっくりあらすじ

ダコタからニューヨークへ転居したStaticは、高校に転入したり、スターラボでインターンとして働いたりと、新たな環境で大忙し。
そんな中、ニューヨークの裏社会に潜むギャングたちが次々と攻めてくる。
それだけでなく、家庭内にとんでもない事態が起きていて。。。

感想(ネタバレあり)

家族思いの黒人ティーンの少年が主人公。
電磁気を自由に操る能力。
日本の少年マンガでもありそうな親しみやすい設定だと思いました。(アメコミって社会人の主人公が多い印象なので)

家庭内の問題が変わっていて、妹が分身していて家族でも見分けがつかないという設定。妹の分身を軸にストーリーは進みます。

しかしながら、ヴィランとのバトルがあまり白熱するものではなく、盛り上がりに欠ける感じがしました。

続きを読みたいというよりは、もっとダコタ時代を知りたいですね。過去作品も読んでみたい。